SketchBOXデザイン事務所
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手描きの図面は、会話を始めるためのもの

2026.05.25

最初から「これが正解です」という感覚でプランやデザインの提案を進めることは、あまりありません。
もちろん、歯科医院の場合は、診療室や受付、待合、滅菌まわり、収納、スタッフ動線など、最初の段階から整理しておきたいことがたくさんあります。
初回のプレゼンは完成形というより、先生の考えを整理するための入口だと思っています。

言葉だけで話していると、何となく共有できているようで、実はまだ見えていないことがあります。
「待合は、もう少し落ち着いた雰囲気がいいかもしれない」
「診療室は開放感を大切にしたい」
「スタッフの動きは、こちらのほうが自然そうだ」
絵として一度置いてみることで、そうした感覚が少しずつ形になっていきます。

私が好きな手描きの図面には、CAD化された図面とは違う良さがあります。
まだ余白がある。
もっと直せそうな感じがある。
線を足したり消したりしながら、一緒に考えていける空気の漂いがあります。

私自身、手描きの図面は「完成品を見せるもの」というより、打ち合わせを進めるためのものだと考えています。
最初のプランを見ながら、
「ここはこうしたい」
「これは少し違うかもしれない」
「この考え方はいいですね」
そんな会話が始まることのほうが大切です。

歯科医院づくりでは、先生ごとの診療方針や医院の考え方が、空間の細かな部分に表れてきます。
ユニットの配置、患者さんの動き、スタッフ動線、個室の使い方、受付まわりの距離感。
どれも一つの正解に当てはめるのではなく、その医院らしさをどう整えていくかを、一緒に確認していくものだと思っています。

最初の手描き図面では、なるべく決め込みすぎないようにしています。
大事なところは押さえながらも、先生が考えを話しやすい余白を残しておく・・・図面を完成させることから始まるのではなく、図面を見ながら言葉を交わすところから、医院づくりは少しずつ形になっていくのだと思います。

手描きの図面は、そのための入口です。


スケッチボックスデザイン事務所

歯科医院設計【デザイン・施工】
宮城県仙台市